建柱車のCADデータをお探しですね。
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建柱車のCADデータを使いこなそう!現場計画の精度アップのコツ
配電や通信工事の現場計画では、建柱車(ポールセッター)のCADデータが欠かせません。車両の大きさやアウトリガの張り出し、オーガの作業範囲を図面上できちんと確認しておけば、現場でのトラブルや危険を大幅に減らせます。今回は、建柱車CADデータの探し方から実際の使い方まで、実務に役立つポイントをまとめて紹介します。
建柱車CADデータって何が入ってるの?
建柱車のCADデータには、現場計画に必要な情報がぎっしり詰まっています。基本となるのは車両の平面図・側面図・背面図で、全長や全幅、回転半径といった外形寸法が分かります。
さらに便利なのが、アウトリガの張り出し範囲やジャッキの位置、敷板のサイズ目安なども含まれていること。これらが別々のレイヤに分けられていると、必要に応じて表示・非表示を切り替えられて重宝します。
作業範囲図では、オーガがどこまで届くか、どのくらいの深さまで掘れるか、ブームの動く範囲はどこまでかといった情報が、複数の曲線で表現されています。これを既設の電線や建物、道路幅と重ね合わせれば、建柱位置の微調整や車両の配置、立入禁止エリアの設定まで具体的に検討できるんです。
PDFしかない場合でも、主要な寸法が記載されていれば2Dブロックとして活用できるので、諦める必要はありません。
どこで手に入る?データ形式は?
CADデータの入手先は、主にメーカーの公式サイトとレンタル会社の製品ページです。
メーカーサイトでは「穴掘建柱車」や「ポールセッター」のカテゴリーで整理されていて、カタログや仕様書と一緒にCADデータが提供されていることが多いです。機種ごとにDWGやDXFといった2D形式でZIP圧縮されており、PDF仕様書とセットになっているパターンが一般的ですね。
レンタル会社のサイトも狙い目です。高所作業車などと同じような形式でデータが配布されているので、探しやすいと思います。
検索のコツは、製品名に「CAD」「作業範囲図」「車両寸法図」「DXF」「DWG」といったキーワードを組み合わせること。ただし、型式や年式で仕様が変わることがあるので、必ず該当するモデルの最新データかどうか確認してくださいね。不安な時は、メーカーや取扱店に直接問い合わせるのが確実です。
実際の使い方とコツ
まずはCADの単位と縮尺をチェック。1:1(ミリ単位)でブロック化して、基準点を揃えておきます。
平面図では、道路の中心線や側溝、敷地境界にスナップして配置。アウトリガの張り出し範囲に安全余裕(電線からの離隔距離や歩行者の通り道確保)を加えた範囲をポリラインで囲んでおくと分かりやすいです。
作業範囲図は別のレイヤで管理して、掘削位置にオーガの中心を合わせます。ブームが周りの物に当たらないかは、立面図でしっかり確認しましょう。
車両の搬入・撤去ルートも重要なポイント。最小回転半径と車幅を考慮して、角を曲がれるか、狭い道を通れるかをチェックします。必要に応じて、コーナーカットや一時的な養生も計画に盛り込んでおきます。
舗装の強度が心配な場合は、アウトリガにかかる荷重から敷板のサイズを概算して、荷重分散の対策を図面に明記しておくと安心です。
BIM環境なら、2D図面を参考に簡単な3Dモデルを作ったり、IFCやDWGファイルをリンク参照したりして、架空線や建物の庇、樹木との干渉を視覚的に確認できます。提出用のPDFを作る時は、線の色や太さ、注記を統一して、占用範囲と安全区画が一目で分かるようにレイアウトしましょう。
精度を保つための注意点
CADデータは「参考図」として提供されることがほとんどなので、最終的な判断は必ず最新の仕様書や取扱説明書、現地での実測に基づいて行ってください。
特に注意したいのが、最大作業半径や掘削深度、アウトリガの張り出し幅。これらはオプション仕様や改良により変更されることがあるため、図面の版数(改訂記号や発行日)をきちんと管理することが大切です。
傾斜地や不整地での作業では、設置可能な勾配やジャッキのストローク、敷板の座屈についても検討を加え、予想外の沈下を防ぎましょう。
データ管理の面では、レイヤの命名ルール(車両外形・可動範囲・安全余裕・注記など)やブロックの基点統一、ファイル名の付け方(型式_版数_発行日)を標準化しておくと効率的です。PDFと照らし合わせて寸法に間違いがないかも、その都度確認しましょう。
また、データの利用条件や再配布の制限といった権利関係、現場での法規制(道路占用許可、クレーン等安全規則、電気設備技術基準など)の順守も忘れずに。分からないことがあれば、遠慮なくメーカーやレンタル会社に相談してください。こうした基本的な姿勢が、設計品質の向上と現場の安全確保につながります。
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