縦断図の書き方をお探しですね。

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縦断図の書き方完全ガイド:初心者でも分かる実務のポイント

縦断図って聞いたことありますか?道路や川を横から見た「高さの設計図」のことです。地面の起伏や、これから作る道路の勾配、橋の高さなどが一目で分かる、とても大切な図面なんです。設計から工事まで、すべての段階で使われます。

今回は、初めて縦断図を書く人でも迷わないように、準備から完成まで順を追って説明していきますね。

1. 縦断図って何?まずは準備から始めよう

縦断図は、道路や川の中心線に沿って、距離(横の軸)と高さ(縦の軸)を表した図面です。横と縦で縮尺を変えて描くのが特徴です。

作図前にやっておくこと

– **基準点を決める**:測量の基準となる点(BMやTBMと呼びます)
– **中心線を決める**:道路や川のどこを基準にするか
– **測点の間隔を決める**:10m、20m、50mなど
– **縮尺を決める**:
– 横の縮尺:1/500〜1/2000程度
– 縦の縮尺:1/50〜1/200程度(高低差を分かりやすくするため)

縦の縮尺を横より大きくすることで、わずかな高低差も見やすくなります。ただし、あまり差をつけすぎると勾配の印象が変わってしまうので注意が必要です。

また、図面に入れる情報も事前に決めておきましょう。交差する道路、既存の建物、水道管、境界線など、どこまで描き込むかを最初に決めておくと、後で迷わずに済みます。

2. 地面の線を正確に描こう

まずは現在の地面の高さ(現況地盤線)を描きます。

手順

1. **横軸に距離を書く**:0m、100m、200mなど
2. **縦軸に高さの線を引く**:薄い線でグリッドを作る
3. **測量データから高さを拾う**:各地点の標高を縮尺に合わせて点で打つ
4. **点を線でつなぐ**:なめらかな線で地面の形を表現

川の場合は、水が流れる部分(低水路)と堤防(高水敷)を区別して描きます。道路では、交差点や側溝、マンホールなどの高さも一緒に記入しておくと便利です。

データがおかしくないか、基準の高さが合っているかも必ずチェックしましょう。

3. 計画の線を描こう:勾配と曲線がポイント

次に、これから作る道路や川の計画線を描きます。これが一番重要な部分です。

基本的な考え方

– **機能を満たす**:安全で、水がちゃんと流れて、走りやすい
– **周りの条件に合わせる**:用地の範囲内で、既存の道路とうまくつながる
– **できるだけシンプルに**:不要な起伏は作らない

描く手順

1. **制約条件を整理**:絶対に守らなければいけない高さ
2. **主要な点を直線で結ぶ**:大まかな形を作る
3. **勾配の変化点に曲線を入れる**:急激な変化を和らげる
4. **各地点の高さを計算**:正確な数値を出して点を打つ

勾配は「‰(パーミル)」という単位で表します。「+20‰」は1000m進むと20m上がることを意味します。

道路では排水のための最小勾配や、安全のための最大勾配があります。川では水がスムーズに流れる勾配を考える必要があります。

側溝や下水管がある場合は、水の流れる方向から逆算して勾配を決めることも大切です。

4. 仕上げのコツ:見やすい図面にしよう

最後に、誰が見ても分かりやすい図面に仕上げます。

チェックポイント

– **縮尺を必ず書く**:横1:1000/縦1:100など、両方とも記載
– **凡例を作る**:線の種類や記号の意味を説明
– **距離の目盛りを等間隔に**:見やすさのため
– **重要な高さは数値で表示**:表や吹き出しで整理

最終確認

– **道路**:接続部分に段差がないか、逆勾配になっていないか
– **川**:水がスムーズに流れるか、落差の処理は適切か
– **構造物**:管路の埋設深度、橋の高さは十分か

印刷したときに線がちゃんと見えるか、白黒でも区別できるかも確認しましょう。現場で使うときに見やすいことが大切です。

最後に、図面番号、作成日、修正履歴などを忘れずに記入します。「誰が見ても同じように理解できる」図面を目指して、数字や記号に間違いがないか最終チェックをすれば完成です。

縦断図は慣れるまで大変ですが、一度覚えてしまえば設計や工事にとても役立つ図面です。この手順に沿って、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

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