配管のアイソメ図の書き方をお探しですね。

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配管のアイソメ図を分かりやすく解説!基礎から実践まで

配管のアイソメ図って聞いたことありますか?平面図や立面図だけでは分からない「距離・方向・高さの違い」を1枚の図面で表せる、とても便利な図面なんです。正しく描けば、現場での「あれ?これどうなってるの?」という困りごとを減らせて、作業もスムーズになります。今回は基本的な知識から具体的な描き方まで、分かりやすく説明していきますね。

アイソメ図って何?なぜ配管で使うの?

アイソメ図(等測図)は、立体を斜めから見たような図面のことです。X・Y・Zの3つの軸を120度ずつ等間隔に配置して、左右の線は水平から30度傾け、縦の線はそのまま上に向けて描きます。

配管でアイソメ図を使う理由は、1枚の図面にたくさんの情報を詰め込めるからです。例えば:
– 配管の実際の長さ
– 曲がる方向
– バルブや継手の種類と向き
– 傾きや高さの違い
– 溶接する場所

これらが全部1枚で分かるんです!

主な目的は3つあります:
1. **作る人**には切る長さと継手の寸法を伝える
2. **工事する人**には配管同士の関係と取り付け順序を伝える
3. **管理する人**には材料の数量と検査範囲を伝える

実際の現場では、配管図面や仕様書と一緒に使って、配管の番号や太さ、圧力の等級なども必ず書き込みます。

基本的なルールと準備すること

軸の決め方

まず大切なのが軸の統一です。左右は30度、上下は真っ直ぐの3方向に配管の中心線を通します。基本的にこの3方向以外は使いません(45度の場合は3方向に分解して表現します)。

寸法の測り方

寸法は配管の外側ではなく、**中心線**で測るのがポイントです。継手類は規格で決まっている値(ASME B16系など)を使って、実際の長さを計算します。

記号と表記

– 90度エルボ:軸から軸へ方向が変わる点を意識
– バルブやフランジ:決まった記号を使い、向きとハンドルの位置を明確に
– 傾き:矢印と傾き値(例:1/100)で表示
– 高さ:基準の高さ(EL±0)からの差で記入

配管の太さ(NPS)と外径、スケジュールを間違えないよう、図面には必ずサイズと仕様を両方書きましょう。溶接番号や検査方法、保温材の厚さなども必要に応じて記載します。

実際の描き方:手順を追って説明

描く順番は「情報整理→中心線→継手配置→寸法→注記→チェック」が効率的です。

1. 情報を整理する

まず必要な図面や資料を揃えます:
– 配管図面
– ラインリスト
– 配管仕様書
– 平面図・立面図

北の方向と基準の高さ、スタート地点(機器の接続口など)を決めます。

2. 中心線を引く

スタート地点からゴール地点まで、配管の中心線をアイソメの3軸に沿ってざっくり引きます。水平の距離と上下の移動量を整理しておきましょう。

3. 継手を配置する

– 方向が変わる所にエルボを配置
– 分岐する所にティーを配置
– バルブは操作しやすい向きで配置
– 小さな分岐(ドレンやベントなど)も忘れずに

4. 寸法を入れる

直管の切断長と継手の寸法を足し引きして、実際の長さを計算します。中心線の寸法を基準にするのがコツです。

5. 注記を入れる

– 配管番号
– 太さ・材質
– 圧力等級
– 傾き記号
– 高さ記号
– 溶接番号
– サポート記号

6. 部材表を作る

最後に材料の一覧表(MTO)を作成します。

CADを使う場合は、「中心線・継手・注記・寸法」でレイヤーを分けると後で修正するのが楽になります。3D CADがあれば、自動でアイソメ図を作ってくれる機能もあるので、ミスを減らせます。

上手に描くコツと注意点

覚えておきたい3つのポイント

1. **真ん中で測る**:外側ではなく中心線で寸法を取る
2. **規格で決める**:継手の寸法は規格値を使う
3. **余裕を確保**:操作や保守のスペースを考える

よくある間違い

– 外側の寸法で測って、切断長が合わない
– エルボの種類(LR/SR)を間違える
– レデューサの上下を逆にする
– バルブの寸法を忘れる
– 傾きと高さの計算が合わない
– 操作・保守スペースが足りない
– 支持金具の取り付け余裕が不足

間違いを防ぐ方法

– 中心線の通し寸法を基準にする
– 規格書で継手の寸法を必ず確認
– 重要な寸法は基準点からの累積寸法で統一
– サポートはスパン表に従って配置
– 熱膨張の逃げも考慮
– 図面と自動集計をクロスチェック

CADを活用するコツ

**2D CAD(Jw_cadなど)の場合:**
– 角度を30度・90度に固定
– よく使う継手はブロック化して再利用
– グリッド機能を活用

**3D CADの場合:**
– 3Dモデルで干渉をチェック
– 自動アイソメ出力機能を活用
– 寸法・注記を後から整える

この方法で作図スピードも上がり、間違いも減らせます。

まとめ

アイソメ図は最初は難しく感じるかもしれませんが、基本のルールを覚えて練習すれば、必ず上手に描けるようになります。現場で「分かりやすい図面だね!」と言われる図面を目指して、頑張ってくださいね。

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