CADでの配管図面の書き方をお探しですね。
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CADで配管図面を描く時の基本的な流れとコツ
配管図面をCADで描く理由は、工事ができるかどうかを素早く判断して、現場で作業する人が迷わないようにするためです。建物や他の設備との関係がひと目で分かり、材料の計算から見積もり、申請書類まで一連の流れで作れれば、時間もお金も節約できます。
ここでは、初めて配管図面を描く人でも迷わないように、実際の仕事で使える手順とポイントを分かりやすく説明します。
最初の準備が大切(図面の設定を整える)
まずは図面のテンプレートを作りましょう。縮尺は1/50か1/100がよく使われます。印刷した時に文字がちゃんと読めるよう、文字の大きさは2.5〜3.5mmになるように設定します。
レイヤ(図面の層)は配管の種類ごとに分けます。給水、給湯、排水、通気、消火設備、ガス、エアコンのドレンなど、それぞれ違う色と線の種類で見分けられるようにします。見える部分は実線、隠れている部分は破線、中心線は一点鎖線を使います。
建物の図面は外部参照で読み込んで、基準線や高さの基準をきちんと合わせておくと、後で楽になります。バルブや継手、機器の記号は、サイズや材質、高さの情報も入力できるブロックにしておくと、後で数量を数える時に便利です。
ファイル名は「案件名_階数_図面種類(日付・版数)」のように決めておき、印刷の設定もあらかじめ決めておきましょう。
配管のルートを考える(平面だけじゃダメ)
配管は平面図だけでは完成しません。まず機器をどこに置くか、配管を通すスペースはあるかを確認して、主要な配管ルートを決めます。
排水管は特に注意が必要で、水が流れるように勾配をつけなければいけません。一般的には1/50〜1/100の勾配をつけて、建物に穴を開ける位置と高さを早めに決めます。給水・給湯は配管を枝分かれさせるヘッダーを使うと、バランスよく施工しやすくなります。
点検できるスペース、断熱材の厚さ、火災対策、音や振動対策なども一緒に考えます。平面でルートが決まったら、立面図(横から見た図)で高さや立ち上がり・立ち下がりを具体的に決めて、天井の高さに余裕があるかチェックします。
建物の基準線を使って、各ポイントの床からの高さを記入し、配管が込み入っている場所は断面図を描いて、ぶつからないか確認しましょう。
分かりやすい図面にするルール
読む人が間違えないように、表現方法を統一することが大切です。水の流れる方向の矢印、勾配の記号(1/100など)、上に行く↑・下に行く↓の記号を決めて使います。
配管のサイズは「80A」や「DN80」のように統一して書きます。材質は図面の中に説明を入れるか、系統ごとに注記します(VP、HIVP、SGP、SUS、銅管、架橋ポリエチレンなど)。
バルブや逆止弁、ストレーナーなどは決まった記号を使い、「V-203」「P-101」のような番号をつけて機器一覧表と連携させます。断熱材は種類と厚さを書き(保温t25、結露防止t10など)、高さは「床から2,500mm」「天井から150mm下」のように基準を明確にします。
詳しい図面は別に描いて、参照記号で案内します。図面の中に凡例、図面枠には図面の種類・縮尺・作図者・確認者・版数を書き、変更があった時は変更マークと変更表で履歴を管理すると、現場や申請、見積もりでの間違いが大幅に減ります。
CADならではの便利な機能を使いこなす
CADの良いところは「同じ作業を自動化」できることです。記号にサイズや材質、数量の情報を持たせて、表題欄や機器表に自動で反映させることができます。建築図面は外部参照で管理して、更新があったら自動で反映されるようにします。
図面比較機能やレイヤの表示切り替えを使って、系統別のチェックを素早く行えます。3DやBIM機能があれば、天井内や縦の配管スペースでの干渉を事前に発見できます。
数量の拾い出しは表作成機能や属性の集計で半自動化して、材料表や見積書まで一気に作れます。設備専用のCADソフトには、配管図や立面図、縦断図を自動で作ったり、見積もりと連動したりする機能があるものもあり、初心者でも作図や申請の時間を大幅に短縮できます。
最後は、決めたルールをテンプレートにして、チェックリスト(系統の色、サイズの整合性、勾配、レベル、スリーブ、バルブの向き、凡例、版管理)で品質を習慣的に確保しましょう。
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