hino式軌跡図とは情報をお探しですね。

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道路や建物の計画で使える「hino式軌跡図」って何?

道路や駐車場、建物の設計をするとき、「この場所で大きなトラックは曲がれるかな?」「車体がはみ出して壁にぶつからないかな?」といったことを事前にチェックする必要がありますよね。

そんなときに便利なのが「hino式軌跡図」という方法です。これは、Jw_cadやSketchUpといった身近なソフトを使って、車がどんな軌跡を描いて曲がるのかを簡単に図面で確認できる技術なんです。

高性能なシミュレーションソフトほど正確ではありませんが、設計の初期段階で「だいたいこんな感じかな」を把握するには十分。何より作業が早くて実用的なところが魅力です。

hino式軌跡図の基本的な考え方

この方法では、車の動きを分かりやすくするために、いくつかの前提条件を設けています:

– **後ろのタイヤは真っ直ぐ固定**(前輪だけがハンドルで動く)
– **ゆっくりとした速度で最大限ハンドルを切った状態**
– **タイヤの滑りや細かな動きは無視**

「最小回転半径」については、車がゆっくりと最大限ハンドルを切ったときの「外側前輪の中心が描く円の半径」を使います。

作図のポイントは、後輪の軸上に基準となる水平線を引いて、そこに補助用の円を重ね、その交点を「回転の中心」として使うこと。この中心を軸に車のブロック(図形)を少しずつ回転させながらコピーしていけば、車体がどこを通るかが見えてきます。

注意したいのは、この円はあくまで「回転中心を見つけるための目安」だということ。円そのものが車の通り道になるわけではありません。

実際の作図手順

準備するもの

– 車のホイールベース(前後輪の距離)
– 前後のオーバーハング(車輪より前後に出ている部分)
– 車幅
– これらを反映した車両ブロック(2Dでも3DでもOK)

手順

1. **後輪の位置を正確に決めて、基準となる水平線を引く**
2. **最小回転半径を参考に、外側前輪が通りそうな位置に補助円を描く**
3. **基準線と補助円の交点を回転中心に設定**
4. **車両ブロックをこの中心まわりに15度ずつ回転コピー**(必要に応じて10度や7.5度刻みでも)
5. **各段階での車体の四隅や前後の先端位置を線で結んで軌跡を作る**

Jw_cadを使う場合は、レイヤーを分けて車体・軌跡・補助線を整理すると見やすくなります。SketchUpなら回転ツールでコピーしながら回転させ、シーン機能で比較すると便利です。

最後に補助円は消して、軌跡と車の関係が分かりやすい図面に仕上げましょう。

精度について知っておくべきこと

この方法は「だいたいの目安」を知るためのもので、車の複雑な動きまでは完全には再現できません。そのため、ギリギリの寸法で設計するときは、必ず安全な余裕を持たせることが大切です。

安全側で考えるコツ

– **内輪差(内側の後輪が内側を通ること)はホイールベースが長いほど大きくなる**
– **不安なときは後輪位置を少し後ろに仮定して、厳しめの条件で確認**
– **最小回転半径が不明な車種は、カタログ値に数十センチ上乗せ**
– **大型車は前後のオーバーハングの振り出しも要チェック**

実際の現場での使い方

テンプレート化で効率アップ

よく使う車種(普通乗用車、2トントラック、大型バスなど)のブロックをあらかじめ作っておいて、ホイールベース・全長・最小回転半径を簡単に変更できるようにしておくと、検討作業がグッと早くなります。

色分けで分かりやすく

軌跡を色分けして表示すると、関係者への説明がスムーズです:
– 外側前輪の軌跡
– 車体外形の軌跡
– 内輪差の限界ライン
– オーバーハングの振り出し範囲

チェックポイント

実際の設計では、歩道の縁石、柱、ゲート、段差などの位置を正確に図面に入れて、左右に25~50cmの安全余裕があるかを確認しましょう。

注意が必要な車両

四輪操舵車(4WS)やトレーラーのような連結車両は、回転中心が後軸上に単純に置けないため、この方法をそのまま使うのは適切ではありません。

まとめ

hino式軌跡図は、完璧ではないけれど実用的で、設計の初期段階での検討には十分役立つ方法です。最終的に重要な案件では、メーカーの公表データと照らし合わせたり、実際に現地で試走したり、専門ソフトで詳細確認したりして、安全性を確保することが大切ですね。

でも、まずは「だいたいの感じ」を素早くつかむには、とても便利な技術だと思います!

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