電気機内配線図の記号一覧をお探しですね。
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電気機内配線図の読み方 – 初心者でもわかる図記号ガイド
電気機内配線図は、装置や制御盤の中で実際にどの部品がどう繋がっているかを、図記号を使って分かりやすく表した設計図です。現場での配線作業から点検、修理まで、あらゆる場面で頼りになる重要な図面なので、記号の意味を理解することは作業の質と安全性に直結します。今回は、初めて配線図を見る方にも分かりやすく、配線図の基本と主要な図記号のポイントを整理してご紹介します。
1. 配線図の基本的な構造と読み方
配線図は、機器の配置を簡単にしながらも「電源から負荷までの電気の流れ」と「制御の仕組み」をはっきりと示すために作られています。
配線図にはいくつかの種類があります:
– **単線接続図**:全体の繋がりを一本線で表した概要図
– **複線接続図**:実際の配線に近い詳細図
– **展開接続図(ラダー図)**:動作の流れが追いやすい制御回路図
– **内部接続図**:機器の裏側の端子間の配線図
これらは組み合わせて使われることが多いです。
読み方の基本手順
1. **凡例を確認**:記号・略号・線の色のルールをチェック
2. **主電源系統を辿る**:電源の受電→保護装置→分岐の流れを追う
3. **制御回路を読む**:コイルと対応する接点、NO/NCの働きを理解
4. **端子台のX番号や配線番号**:盤内と盤外の境界を把握
図面には古い記号と新しい記号が混在していることもあるので、プロジェクトごとの凡例や部品表を必ず確認しましょう。
2. 電源・保護・接地関連の記号とポイント
電源系の表記
– **三相電源**:L1/L2/L3
– **単相電源**:L/N
– **直流電源**:+/−
よく使われる電源機器の略号
– **QF**:遮断器(MCCB/MCB)
– **FU**:ヒューズ
– **QS**:開閉器・隔離スイッチ
– **SPD**:サージ保護装置
– **ELB/RCD**:漏電遮断器
– **T/TR**:変圧器
– **PS**:スイッチング電源
保護装置
モーター回路でよく使われる過負荷保護は**OLR(サーマルリレー)**で表され、接点は95-96(トリップa接点)などの端子番号と一緒に示されます。
接地の種類
– **PE**:保護接地
– **N**:中性線
– **FG/FE**:機能接地
接地の記号は新しいJIS/IEC規格に移行中です。PEは黄緑(GN/YE)の二色線で表すのが一般的ですが、線の色や表記は会社によって違うことがあるので、図面の凡例確認が欠かせません。
**実務のコツ**:電源部分は装置全体の安全に関わる重要な部分なので、分岐ごとの保護レベル、短絡・地絡の保護階層、盤内と盤外の境界(端子台X番号)を合わせて読み取ることが大切です。
3. 操作・制御機器の記号一覧
操作器の略号
– **SB**:押しボタン
– **SS**:セレクタスイッチ
– **ES/S0**:非常停止ボタン
– **HL**:パイロットランプ
– **BZ**:ブザー
接点の種類
– **NO**:ノーマルオープン(a接点)
– **NC**:ノーマルクローズ(b接点)
制御の中心となる機器
– **KA**:リレー
– **KM**:接触器
– **KT**:タイマ
– **KC**:カウンタ
– **KR**:リセットリレー
これらのコイル記号と対応する接点には同じデバイス番号が付けられます(例:KA1の13-14がa接点、21-22がb接点)。ラダー図では横の段ごとに動作を追うことができます。
センサー類
– **LS**:リミットスイッチ
– **PS**:近接センサ
– **PE**:光電センサ(ただし保護接地のPEと紛らわしいので要注意)
PLC関連
– **PLC**:プログラマブルロジックコントローラー
– **I/Q**または**DI/DO/AI/AO**:入出力
端子番号とスロット位置で特定します。
**動作を正しく読み取るポイント**:コイルの電源条件、直列/並列の論理、インターロック(安全装置)の有無、非常停止系がどの電源層を遮断するかを一緒に確認することが重要です。
4. 負荷・端子・配線管理の記号と実用的な読み方
負荷側の記号
– **M**:モーター
– **YV**:電磁弁
– **EH**:ヒーター
– **UV**:超音波装置
– **HTR**:加熱器
– **TRF**:トランス二次側負荷
これらは定格や相数、保護素子との関係が記号と部品表に関連付けられています。
接続関連
– **X**:端子台(X1-1, X1-2…)
– **PL/CN**:コネクタ
– **CBL/FL**:ケーブル(FLはフラットケーブル)
– **SH**:シールド
– **TP**:ツイストペア
配線管理で重要な情報
– **線番(Wire No.)**
– **行番号(ラダー行)**
– **相手図参照(→図番/欄番)**
– **線色略号**:BK(黒)、RD(赤)、BU(青)、WH(白)、GN/YE(黄緑)
注意すべきポイント
シールドの片側接地やドレン線の処理、盤内/盤外の境界は配線ミスが起きやすい箇所です。新旧記号の混在やメーカー独自の略号もよくあるので、図面内の凡例ページを常に参照し、部品表(BOM)と照合しながら読む習慣をつけましょう。
まとめ:配線図を活用するコツ
配線図を上手に活用するには、**電源→保護→制御→負荷→端子**の順で全体を見渡し、分からない点があったら線番・端子番号・相手図参照で前後を確認することです。この基本的な読み方をマスターするだけで、トラブル対応や保守作業のスピードが大幅に向上します。
最初は複雑に見える配線図も、基本的な記号と読み方のルールを覚えれば、必ず読めるようになります。安全で確実な電気作業のために、ぜひこの記事を参考にしてください。
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